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2001年1月26日配信江ノ島研修
佐川急便の研修、みなさんは何を想像しますか?
体育会系の体罰?怒涛の根性試し?
仕事に厳しく、達成するまで諦めない。大事な事を自覚できたと思っています。
研修は6:30から始まります。
起床、表に整列、点呼後、研修所の周りを全員で清掃。
朝食後、バスに乗って綾瀬の運転研修所へ。
午前と午後に別れ、運転研修と佐川急便心得(正式名称不明)の審査を受けます。
17時頃江ノ島に帰館、風呂、食事終了後、再度研修を21:30頃迄。
就寝準備をして22:00に消灯。
これが一日の流れです。
月曜日の昼から始まった研修。
「社歌」は1・2番を連続して「歌う」のですが、本人は「元気良く歌って」いるつもりでも、30数人の前に立つと恥ずかしさや緊張で歌詞を忘れたり。
火曜日の夕方になっても第一段階の「社歌」は誰も合格しません。
夕食後、研修が始まりS君の番になりました。
「Sです。社歌の審査お願いします」「あさひをうけて〜しゅっぱつの〜」
このとき全員がS君に注目しました。彼は歌っていません。
思いっきり、そう、何かに取り付かれたように「怒鳴って」います。
顔は真っ赤。息も激しく、歌詞を「怒鳴って」います。
「〜きょうもあかるく〜さがわきゅうびん〜」
彼はしっかり2番まで「歌い」終わりました。いつもなら
「はい、それまで」と、冷たく審査が終わるのですが未だ結果がでません。
「よし、合格」
オオッッ!!同期生から大喝采。
それは合格者第1号にはなく、S君の「力の限り」に全員が「感動」したからです。
この日のうちに「同じ感動」を感じた3人が合格しました。
不思議なもので限界の力、何もかも忘れて力の限り努力する姿は、見ている者に「感動」を与えてくれます。
これを当時、佐川急便のドライバーは実践していました。
翌日にさらに5人の合格者。しかし、合格しても安心できません。
「社歌」の次は「安全運転10則」、「飛脚5ヶ条」など。一字一句間違えずに暗記し、審査員を「感動」させる項目はまだまだ残っています。
ようやく研修が進み始めただけ。
不合格者は合格者にあおられ、研修所は白熱化してきます。
水曜日には研修生全員が運転技能研修の試験に合格しました。
運転技能研修で面白いことがありました。
運転の際、「呼称確認」と言って指差し呼称をするのですが、初回、より確実な確認のために同じ動作を2回しました。
佐川急便心得だと教えられた以外の動作は即座に失格、研修中止になります。
しかし、このときはなぜ呼称確認を2回したのか述べよと言われました。
私は自分の思った通り、素直に話した結果、運転は常に状況を的確に判断し、応用する事が必要であると言われてOKをもらいました。
頼まれ事は徹底的に守る、過程でより良くなるのであれば変えていく。
仕事をする上で1番大切な事ではないでしょうか?
最終日前夜、食事終了後、研修責任者より講義があると全員集が集められました。
講義は20:00から一時間。
まいったな、夜の審査があると思ったのに・・・
つまらない講義より、一回でも多く審査を受けたい、これが研修生の本音です。
城東店店長(当時)Hさんは佐川急便入社以前、自営業を営んでいたが、資金繰りに失敗し借金返済の為入社、1000万の返済を1年半で完済・・・
そんな話から始まりました。
なんだ、結局佐川急便の宣伝か、と思っていた私に興味を持たせた言葉。
「君達は仕事で何が1番大切だと思う?」
なんだろう、自分に問いかけました。
やっぱり、給料かな。それと仕事で認められることかな。
研修生は聞かれるたびに「やりがい」、「達成感」、「給料」など返事はさまざま。
「俺は金だと思う。男が働いて女が安心して家を守る、1番の理想だな」
もっともです、はい。
「じゃ、君達が必死に仕事したとして、一体いくら稼げると思う?」
難しいな、今までは月間手取り15万円だろ。
自分が欲しい金額と会社が支払う給料は一致しないもんな。
私の知る範囲では、危険な「鉄骨鳶」で日当25,000円位、
20日毎日仕事して500,000円か。
毎月安定した収入だともっと少ないだろうな。
「いいか、佐川急便では最低600,000円もらえる。
君達の先輩はみんなドライバー出身だ。
会長(佐川 清さん)もそうだし、私も例外ではない。佐川急便では誰にでも同じチャンスがあるんだ」
みんな真剣に聞き入っています、私も話に吸い込まれています。
「渡辺社長(東京店 責任者当時)の給料は3年前で3,500万円だ。当然、今はもっとあるな」
えっ、3,500万?なにそれ?毎月もらえるの?すげぇ!!
「決して現状に満足するな!君達には無限の可能性がある。
君達は夢をかなえるため、ここに集まったはずだ。自営の為の資金作り、借金返済、理由は何でも良い。
佐川急便でがんばれば、その夢は実現可能なんだ!」
心の中で私の夢が実現していきます。
その夢はもうすぐそこ、そんな錯覚にも似た気持ちになっています。
「いいか、佐川急便はやる気のある人間を絶対差別したりしない!力の限り仕事し、しっかり金を稼げ!
男なら仕事の安売りは絶対にするな!」
この状況はうまく説明できません。
しばらくの沈黙のあと、誰ともなく、やるぞ!と声が響きました。
研修が始まって以来、がんばってきた自分、あと少しで夢の一歩を踏み出せる可能性。
これらが入り混じり、心の奥深くからやる気が沸いてきます。
気が付けば私も声を出していました。
部屋はすごい熱気で包まれています。
「最後に言っておく。これから会社は無理難題を希望する。
しかし、決して会社のために仕事をするな。佐川急便に会社のために働く者はいらない。
仕事ぶりを取引先に気に入られ一ヶ月で社長になった者、一流会社の社長令嬢と結婚した者、これらは全て実話だ。
君達は自分のために仕事をし、最高の結果を得ればいい。
目の前に2億円積まれたら、俺はそちらをとる。」
すごいこと言うなと思った反面、判るような気がしました。
最終日、講義の効果が現れたのか、無事全員が全ての審査に合格しました。
夕食後に研修終了会がビールの乾杯で始まりました。
5人程度に別れて即興を行い、これまでとはまた違う盛り上がりです。
いまさっきまでライバル視していた男達が、お互いの努力を認め合う。
先程まで厳しかった審査員が労いの言葉と一緒にビールを注いでくれます。
次から次へとグラスにビールが注がれます。
なんでもビールは50ケースはあるとのこと、どう考えても遠慮できません。
思えば食事もしっかりとしたものが毎日出され、足りなかったことがありません。
「社歌」を全員で最熱唱、「同期の桜」で場は最高に盛り上がりました。
私達がここで学んだこと、それは人間の能力に差がはなく、努力しだいで不可能を可能にすることができること。
しかし、その道は自分で切り開くしかないという事。
「よーし、これからが勝負だ!やるぞ!やるぞ!やるぞ!!!」
「やるぞ!やるぞ!やるぞ!!」
「やるぞ!やるぞ!やるぞ!!」
「やるぞ!やるぞ!やるぞ!!」
感動の嵐の中、昨日の言葉を思い出しました。
「最高に働いて最高の給料を自分のためにもらう」
*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***