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2001年6月15日配信 初めてのコース
私が初めて佐川急便でコースを担当したのは本町の6ブロックでした。
本来はコースを半分にする予定でしたが、前任者が出社しなくなり(当時はこのパターンが一番多かった)、適任者がいなくなってしまったので急遽私が引き継ぐことになりました。
引き継ぐといっても佐川に入社してわずか2週間、現場にでて1週間です。
格好は佐川のDRでも中身は素人。お客様のほうが自社の業務内容に詳しいこともありました。
DRの最低業務は配達と集荷、営業・債権管理です。
しかし集配業務が満足にできないのに、その他の業務をこなせるわけがありません。
朝一番に2tトラックに満載に積み込んだ配達分は午前中に配達できるのですが、追加の配達が多くてどうしても14:00まで終わりません。その後、すぐに集荷にまわります。
14:30頃には当日最終配達分を受取りますが、この間、配達と集荷を同時にしなくてはなりません。
集荷は定期集荷と電話集荷が終わるのが20:00頃。
それ以降は先輩達に集荷を依頼して帰社します。
毎日毎日これの繰り返し。新規営業や債権管理の管理までの余裕ができません。
3ヶ月程したある日、業務終了後係長に呼び出されました。
「お前、営業しているか?成績が3ヶ月連続で前年対比120%下回っているぞ!」
私は素直に自分の現状を彼に伝えました。
「何言ってだ、DRだったらもっと責任持った行動しろ。お前のコースを自分が営業しなかったら誰が成績を伸ばすんだ?忙しければ何もしなくてもいいのか!?わからないことがあれば周りの先輩に聞け!!」
だって先輩達はいかに効率良く、いかに楽をするかで頭の中がイッパイじゃん。
即配の営業さえしてないんだぜ。営業できる奴なんて本当に佐川にいるのかよ?
物事わかって喋ってんだろうな、おっさん!!
喉まででかかったものの佐川は結果が全て。何を言っても聞く耳持たないのはわかっています。
「今月成績が悪かったらわかってんだろうな!?」
「・・・」
なんだよ、どうするっていうんだよ!?
強がってはみたものの冷静に考えてみました。
成績の悪いDRの言い訳が通用するほど佐川は甘くありません。新人もベテランもコースを担当した以上同じ土俵の上での勝負。
佐川急便では前年対比120%以上で当たり前。
成績を前年対比で評価し続けるのには無理があると思うのですが、佐川急便はそうゆう会社です。
そこで働くなら文句は言えません。
しかし思えばたった何十年か前、私が学生の頃は佐川急便はまだ小さな運送屋だったのです。
先輩達は死に物狂いになって、まさに死に物狂いで佐川ブランドを築いてきたはずです。
それに比べると自分はなんだろう?その上に乗っかって新人という立場で甘えてないか?
売上を確保できない社員は佐川急便に必要ありません。
先輩達のほうがはるかに条件が悪かったはずです。先輩にできて私にできないことはない。
よ〜し、やったろうじゃん!俺も東京店での歴史を1ページ作ってやろう!!
翌日から配達時に今までと違う視点、荷物は何処にあるのだろう、なぜ佐川で出荷してもらえないのだろう。
これらお客様の視点に立って観察してみました。
違う視点で見るといつもは配達に追われて見過ごしている事に気が付きました。
「出荷は佐川だけ」のはずのお客様は、
実は時間帯を巧く使って他業社に出荷していました。
佐川に頼むのは大きな荷物と遅い荷上がりの荷物だけ。同業他社の福山、名鉄、西濃、ヤマトはその他なんでもありでした。
限られたコース内で確実に売上を増すにはどうすればいいのだろう?新規客を獲る?
しかし、今の自分には新規客を説得できるだけの力量はないな。とすれば、既存客の売上を伸ばすしかないな。
他業社と佐川を併用しているお客様は大勢いるんだから荷物はある。その売上が佐川に代われば売上はかなり確保できるな。
すでに佐川へ出荷してくださるということは、佐川には何かしら魅力を感じていると考えて良いだろう。
そのお客様を交渉した方が説明は簡単そうだな。
よし、この作戦でいこう。
他社と佐川を併用しているお客様にその理由を聞いてまわりました。
佐川のお客様はその殆どが中小企業です。責任者と交渉するのにアポは必要ありません。
制服で伺う限り、ベテランDRも新人の私にも同じように時間をさいてくれます。
お客様が他社を使う理由は以下でした。
1.佐川は運賃が高い(同業他社の倍)=簡単に出荷できない。
2.依頼してから集荷までに時間がかかる=早く帰れない
3.集荷の態度が悪い(遅い集荷は嫌がる・理由をつけて集荷を断る)=お前らだけが運送屋じやないぞ
4.破損が多い=安心して頼めない
5.今まで営業マンが来ないから=DRが交渉しなかった???
それでも佐川を使う理由も教えてもらいました
1.遅い集荷も翌日必着できる=安心して任せられる
2.集荷の際制限がない=何でも何個でも集荷する
3.配達が早い=仕事がはかどる
4.運賃が安い=全国均一運賃!!
お客様が他社に出荷する理由のなかで自分が改善できることを考えてみました。
運賃の交渉はまだ無理だな。破損もお客様に梱包等に気をつけてもらう交渉が必要だな。
とすると2,3,5か。これなら今からでもできるぞ。
さらに佐川を使ってくれる理由の中で私ができることは何だろう?
4は嫌だな、全国均一運賃なんて信じられない!安い運賃→集荷個数を増やす→仕事が増える→利益がでない、こんなこと繰り返しても良いことひとつもない!!
しっかりと仕事をして運賃はきっちりもらえるようにしよう。
翌日から先輩が作った悪い佐川急便像は引き継ぐのはやめました。これからは自分の考えで勝負することにしました。
今まで配達はお客様の意向は反映されず、順番はDRの都合で決めていました。
そこで配達順をなるべくお客様の都合に合うように変更しました。
同時に今まで配達をとにかく終わらそうと無視していた集荷、これは配達時に同時に持ち帰るようにしました。
最初の1週間は順番を遅くしたお客様から毎日クレームが入りました。
しかし電話対応口の業務課は1人で20人程のDRとやり取りをしています。
幸い当時の佐川は配達クレームには殆ど対応しませんでした。自分が新人だったことも好都合だったようです。
2週間もすればクレームも落ち着きました。
集荷も電話集荷締め切りの19:00以降は遅い集荷担当に依頼し、早く帰社してかまわないのですが全て自分で集荷することにしました。
昼間と夜の佐川は違うと言われる程集荷の評判が悪かったからです。
1人で町三つと遅い定期客の集荷に走り回っているので、本当に気が狂う程の忙しさなのですがそんなことはお客様に関係ありません。
だったら担当の私が最後まで残って集荷しれば済む。お客様と信頼関係を深められる可能性があるし、集荷を約束したDR本人が来た方がお客様も安心するだろう。
こうして方針を変えて1ヶ月後。前年対比125%になりました。
私のやり方は間違っていないんだ。よし、どこまで自分のやり方が通用するかとことんやってみよう。
入社後、初めて少しだけ佐川の仕事が楽しいと感じました。
To Be Continued
*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***