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2001年7月27日配信 佐川の最高級商品
梅雨も明け、毎日暑い日が続いています。
「毎日暑い中走り回って元気だね」
「体壊さない?」
DR時代はお客様からの声援が最高の清涼剤でした。
1人で集配・営業・集金と1人三役をこなすDRにとって、体調管理も大切な仕事でした。
私が休んでお客様に迷惑をかけるわけにはいかない、お客様との約束事は何があっても守るぞ。
だから代理のDRにコースを任すことはできない。
お客様のために休日出勤してまで仕事する、休日、心配だったからコースに自家用車で様子を見に行く。
支払予定日をなんとか待って欲しいと頼まれて立替入金する。
この荷物だけはと頼まれ、深夜時間外に引き取りに伺った。
同業他社で同じ気構えのDRさんを見つけることは簡単ではありません。
一昔前なら佐川急便にしかないサービスもありましたが、今では基盤地域による優位性はあっても、輸送システムはどの業者でも似たようなもの。
「配達」「集荷」において大手各運送会社のサービスに格差がなくなりました。
そのなかで破損多い、態度悪い、その他悪い事もろもろ。
問題が多い佐川急便がなぜ、いまだ堂々と仕事しているの?
どうしてお客様から愛想つかされて廃業にならないの?
それはDRががんばっているから、他に答えはないと思います。
佐川のDRはなぜそこまで仕事に責任を感じるのでしょうか?
給料が高額支給だから?
家族に楽させてやりたいから?
佐川にはやる気があるDRが多いから?
成績を上げないと上司、先輩達にイジメられるから?
DRによってその理由は違うと思いますが、佐川急便でしか体験できないことがひとつあります。
それは私でも信用してくれる人達がいる、ということです。
私が入社した当時、佐川急便はまだ全店独立採算制でした。
つまり、同じ佐川でもサービスの内容に違いがあったのです。
東京店は可能、大阪店は不可、博多店では不可能。
大阪店で可能だが東京店では不可能、博多店では可能。
こんなことは珍しくありませんでした。
これは地域性が大きく影響していると思います。
しかし、これではお客様に満足いくサービスを提供できません。
そこでどう工夫したか?
DR同士が責任をもって業務にあたったのです。
「佐川急便としては可能性が少ないので、直接担当DRに交渉してみます。」
変な表現ですがこれが佐川の最大の強さだと思います。
佐川急便ではDRは担当コースでは社長といわれています。
このことをものすごく簡単に説明するなら、DRは佐川急便のフランチャイズ店のようなものです。
担当地域内のことはすべて責任をとってもらう。
その反面、担当地域の営業方針は自分で決めることができるのです。
このお客様と交渉してみよう、このお客様との取引は問題があるので今後は断ろう。
先輩が断られ続けたお客様を絶対にくどき落としてやる!
運賃、集金、営業。
このすべての決定権を自分が持てるのです。
そしてその責任はとても重いものです。
しかし、新しいお客様から1個の荷物をお預かりできたとき、その責任は私に対する信用にから生まれたことに感動します。
仕事としてこれほどやりがいがあることはありません。
DRの担当コースが決まっているということは、東京都中央区日本橋*丁目*番*号の責任者は佐川急便でたった一人だけ。
1年365日、コース内のことは責任を持って対処します。
朝一番に配達して欲しい、出張したお客様の荷物を時間までに引き上げて欲しい。
配達不可能地域へ何とか行けないか?
本来別料金が発生する業務でもなんでもかんでも相談して下さい。
業務でがんばれるのは全国のDRのおかげ、私もそのお手伝いをさせていただきます。
全国のDRがそんな気合を持っていました。
そしてそんな気合が*店だからできない、ということなくお客様に同じサービスを提供してきたのです。
以前私はこのようには考えていませんでした。
しかし、ある日身をもって経験したのです。
お客様からどうしても明日中に岡山県英田郡に届けて欲しい荷物がある、なんとかならないかと頼まれました。
荷物はエキスプレスバッグひとつでした。
陸便は確実でなかったので佐川航空(佐川急便グループ)に確認し、明日中なら配達可能と返事をもらいました。
喜んでお客様から集荷して航空のDRに依頼し、念のため帰社後、岡山の配達店宛に配達依頼のFAXを送信しました。
これで完璧だ、翌日は安心して業務に励んでいました。
しかし、そう思っていたのは午前中だけ。
午後2時を過ぎてもまだ配達されていないとお客様から聞かされ、次第に不安になってきました。
私に何かミスがあったかな、いいやすべて確認したはずだ。
荷物のデータが配達店まであることが確認できたので、配達店に直接連絡してみたものの、現在トラックは無線が届かないところを走行中とかで現場の声は聞けない。
配達店には一刻でも早く配達をして欲しいこと、私の携帯電話番号を伝え何かわかったら連絡するようにお願いしました。
お客様には現状況を報告して謝りました。
交渉の結果、幸い荷物は明日10時までに配達されれば何とかなるとのこと。
FAXまで送信して依頼しているのに担当DRは「つかえない(ダメなDR)」な。
これがそのときの素直な気持ちです。
ところがこの日遅く、配達担当のDRから携帯電話に連絡が入りました。
DR 「私、岡山の英田郡担当のDRなのですが・・・」
私 「ああ、どうもお疲れ様です」
DR 「英田郡の配達が遅れてご迷惑をかけたようで・・・」
私 「えっ、じゃあ配達してくれたの?」
DR 「はい、何とか終わりました」
私 「ありがとう。配達に随分時間がかかったようだけど何かあったの?」
DR 「あの、これは言い訳になるのですけど、通常英田郡には周2回しか配達に行かないのです。東京(店)からFAXが届いていたので今日は特別に配達しました。それで遅くなっちゃって・・・。お客様は大丈夫でしたか?」
私 「お客様とは交渉の結果、明日10時までの猶予をもらったから大丈夫だよ。でも、こっちで航空に問い合わせたら午前中必着できるって聞いたけど?」
DR 「航空さんは飛行場止めにしますから、配達担当は私になります」
私 「そうか。でも無線が届かないところに配達行くなんて大変だね。東京じゃ考えられないよ」
DR 「今度英田郡に新しくサーキットができるのです。今までは配達量も少なく、周2回で間に合っていたのですが、だんだん厳しくなってきました。じつはこの住所に行くためには今は山間を越えているのです」
私 「山間を越える???」
DR 「サーキットまでの新しい道路ができたのですが、トラックで行くと遠回りになってしまい、往復3時間必要なのです。それでは時間がもったいないのでトラックを降り、荷物をしょって山間を越えて行くのです。そうすると往復1時間半で済みます。いっぺんに多くの荷物を配達できないのが問題なのですが・・・」
私 「・・・」
DR 「今後対策を立てて御迷惑をかけないようにします」
私 「御迷惑だなんて、そんな事情をまったく知らずに急かした私が恥ずかしくなりました。すごいことをなさっているのですね」
私は自分の考えの甘さを反省しました。
いくら早い配達をモットーにしても山間部で荷物をしょっていくなんて!
しかもエキスプレスバッグひとつ抱えて往復1時間半!!
こんなすごいDRが実在する!!
今まで佐川なんてたいしたことない集団だと、思い上がっていた自分が恥ずかしくなりました。
そしてまだまだ全国には素晴らしいDRが大勢いるのだと感動しました。
これ以来、重要なことは必ずDRに直接連絡するようになりました。
佐川急便の最大の商品はDRです。
DRなくして佐川急便は成り立ちません。
*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***