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MailMagazine:ほんとうの佐川急便 Vol.21 とある日(新人編)
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2001年10月5日配信 とある日(新人編)

はぁ〜眠いな。
自分が望んだこととはいえ、毎日始発に乗るのもそろそろ限界かな?
そんなことをぼーっと考えながらようやく駅に着いた。

腕時計のタイマーをセットしてと、これで次の乗り換えまでの約30分また眠れる。
この前みたいに乗り過ごしたら大変だから、もう一度アラーム時刻を確認しておこう。
早朝は山手線が15分間隔なんて初めて知ったもんな。
こんなに早くから仕事に行くなんて、これから二度とないだろう・・・

中野で東西線に乗り換え、南砂町(*1)までさらに約30分の仮眠時間。
ピーッ、ピーッ、ピーッ。
おっと危ない、この前は起きたとたんにドアが閉まって、西葛西まで乗り過ごして遅刻したもんな。
あれはシャレにならなかったよ、まったく。

今回は早めのセットで大丈夫、ってどうして東陽町から出発しないの?
えっ、人身事故?
冗談だろ、遅刻しちまうだろ、早く電車出せよ。
佐川は言い訳無用なんだぜ。
6時30分までに確認表に集荷判押さなきゃ(*2)遅刻になるじゃねぇか!

この当時は今のように携帯電話は普及していません。
まぁ、仮に持参してても地下じゃ電波は届きませんが・・・

地下鉄が動きだしたのは約15分後。
以前遅刻した経験を生かして早めの電車に乗っていたから何とかなりそうだ。
あ〜っ、もう時間ギリギリだ!!

地下鉄を降り、トラックの駐車場までひたすらダッシュ。
なんで自分の課だけが離れた場所で積み込みするんだよ。
他の課は東京店で積み込みしているのに・・・
いつもならなんでもない事さえ、嫌な気持ちにさせる。

駐車場から約10分。
「看板背負ったトラック」とは思えない走行でぶっ飛んでいく。

時計は6時28分、はぁ〜間に合った。
早く集荷判押さなくちゃ、あれ確認表はどこだ??

「てめぇ、このやろう。新人のくせに遅刻ばっかりしゃがって。やる気がねぇんなら、辞めちまえ!」

「えっ!?まだ30分になってないと思いますが・・・」

「バカヤロウ!うるせぇんだよ!!30分までに集荷判押せって言ったろ!新人は早くきて当たり前なんだよ!遅刻して偉そうにゴチャゴチャ言い訳してんじゃねぇよ!」

言い訳無用、遅刻の罰金\5,000徴収されました。
確認表を管理しているあの先輩は本当に罰金を係のために使っているのだろうか?
あの人怪しいよな、いつも財布に罰金しまってるし・・。

気を取り直して荷下ろしに行かなきゃ。
なんで自分のコースを持ったのに、いつまでも「荷下ろし部隊」なんだろ?
ガーン、この口物俺の荷物だよ、しかも45個口。
あのビルはエレベータが来ないから配達に時間かかるんだよな。

1時間後、ようやく荷下ろしから開放。
あっ、やっぱり荷物がローラの上にメチャクチャに積んである。
しかもトラックの着車さえしてくれてない。

毎日私が荷下ろしをしているから、積み込みに専念できるんでしょ?
積み込みまでは望まないけど、トラックを着車してもバチはあたらないでしょ?
ねえ、そこの手の空いている先輩、積み込みくらいは手伝ってくれてもいいと思うけど・・・

この人達はなんで自分のことを最優先するのだろう?
仕事が出来ないから新人?仕事の妨害をされるのが新人?

「おい、朝礼やるぞ!」

「今日の目標言うぞ!Top便5個、P便7個、他社伝15個、必ず達成しろ!できませんでしたは報告じゃないからな!!」

「新人、お前も一緒だ。わかんなきゃ、先輩によく教えてもらえ」

ハァ〜、まいったな。
営業に関しては何も教えてくれないのに、なんで目標だけは一緒なんだろ?
いくら伝統があるとはいえ、「指示」は無理難題ばかりだなぁ。

「早く積み込んで早く出発しろ!」

「最後に出庫した奴は罰金だぞ!」

はぁ、また罰金ですか!?

あっ、あの先輩またTop便の配達を理由に荷物を置いていっちゃった。
いつもあの人は最後まで積み込みしないで出庫していくんだよな。
あれで配達が早いって威張っているけど、当たり前じゃん。

でも、いつも代わりに荷物を積み込んでいる先輩、追加の荷物は配達までしているって聞いたけど、何も思わないのかな?

どうも先輩達は自己中心的で好きになれないな。
本当に「飛脚の心」を持った根性者は佐川にいるのかな?

さあ、荷物も積み込んだし、後は出庫点呼(*3)だけだ。
でも、また安全運転十カ条の暗証テストやってるよ。
どんなに忙しく動いてもここで時間を止められちゃうからな、たまんないよ。

江ノ島じゃないんだから、元気がないとかで点呼中止にしないで欲しいよな。
これじゃ、時間に追われてとても安全運転どころじゃなくなっちゃうよ。

あ〜あ、今日も出庫は最後になっちゃった。
いつになったら先輩達と同じ条件で積み込みができるのだろうか?

つづく

*1−東京の地下鉄の駅名です。
 中野方面からくると〜東陽町−南砂町−西葛西〜の順になっています。
 佐川急便東京店は南砂町が最寄駅です。
 南砂町−西葛西の間は荒川を越えるため、時間がとても長く感じます。

*2−マジメに出退勤時刻を入力すると完全に労働法違反。
 だから、確認表なる紙に集荷判を押した時点で出勤したことになる。
 記録に残る出勤時間は8時頃入力する。
 ではそれまでの2時間30分はどう扱われるのか?
 実はDRが勝手に出勤したことになっている。
 会社が要望しないのにDRが仕事をした場合、労働法違反にならないと当時の運行管理者から聞いた記憶があります。
 退勤時にも同じような仕組みがある。

*3− 社外へトラックが出ると「運行」とみなされ、運行時には必ず運行管理で点呼という報告を行うことが義務づけられている。
 乗車するトラックのナンバーや車両点検結果の他、DRの睡眠時間、健康状況等を報告するのだが、DRがどんな状態でも「睡眠時間8時間・健康状況異常なし」とほとんど呪文のように決まっていた。

*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***

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