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2001年10月19日配信 とある日(新人編)その2
-----------------前回からのつづき-----------------
無事出庫できたし、次の目標はいかに配達を早く終わらせるかだな。
問題はあの口物、台車に1個しか載らないような荷物をいかに効率良く8階に45個配達するかだな。
それにしても最高速度が50Km/hとはカッタルイな。
「迅速」な佐川は速度無制限だと思い込んでいたから、社内規則だと聞いたときは耳を疑ったよ。
「交差点では減速徐行、一時停止で安全確認」
それに合わせて呼称確認、歩行者は絶対優先。
絶対に運転では急がず、配達時間が遅れたら体で取り戻せ。
コースに着いたらトラックはずっとパーキングに止めっぱなし。
トラックの運転は朝夕の会社とコースの往復だけ。
まるで移動倉庫、作業効率は抜群。
あっ、また割り込まれた。
佐川は安全運転だと思われているのはすごい事だけれど、実際の道路状況からすると「のろい」と思われているのだろうな。
交差点を左折する時は対向の右折車が突っ込んでくるもんな。
別の意味で運転には気をつけなきゃ。
「佐川急便営業部は全員が無事故無違反だ」
よく運管(*1)が誇らしげに言っているけど、事故違反があれば営業部はクビだから当たり前だよ。
いくら「免許書でメシを食っているんだ」と言っても、最低でも1年に1回、必ず「SDカード」を申請し、私生活の事故違反まで調べるのは問題じゃないのかな?
それでも「高給」の魅力には勝てないけど・・・
やっとコースに着いた、今日は「ポールポジション」は空いているかな?
あそこに車両を止めると最高に効率がいいからな、
おっ、空いている。
佐川で働くまで、トラックを路上パーキングに入れるなんて考えもしなかった。
車両が白線内に収まらないけど、違反にはならないのかな?
まあ、いいや、300円入れてと。
深く考えると何もできなくなっちゃうから、配達に専念しましょ。
今日は9:30のTop便(*2)があったな。
今9:05分か、先に配達しておくか。
「おはようございます!!佐川急便です!」
あれ、変だな、誰もいないよ。
う〜ん、やはり誰も見当たらないや、まだ始業していないのかな?
それしても無用心だな、電気は点いているしコンピュータの電源も入っているぞ。
勝手に入って不在票を置いていくのも変かな、でもいいか。
悩んでいる時間がもったいない、不在票は受付に置いておこう。
また後で配達に行かなきゃ。
時間指定するのならちゃんと待っていろよ、効率悪いな。
「おはようございます!!佐川急便です!」
順調に2軒配達が終わった、時間は9:25。
よし、さっきのTop便の配達に行こう。
「おはようございます!!佐川急便です!」
あれ、まだ誰もいないな。
でも何で電気が点きっぱなしなのだろう?
宇宙人に集団誘拐されたとか???
仕方ない、もう一度不在票を書いてと・・・
「君、何しているの?」
あっ、ついに宇宙人から逃げてこれたのかな?
「ダメだよ、勝手に入っちゃ。ウチは10:00始業だからこの時間は誰もいないよ。」
「配達?9:30必着??私はよくわからないから、10:00にもう1度来てよ。」
どうなってんの?しょうがねぇな、まったく。
配達も順調に進み、45個口もあと数回で終わり。
駆け足で台車を押して戻ると観音(*3)の前に荷物が山ほど積んであります。
何だろう?
駆け寄ってみるとそれは私の担当コースの追加でした。
どうやら荷物を持ってきた先輩は私が配達から戻るのを待ちきれず、追加分を地べたに置き去っていったようです。
書類まで置いてあるよ、凄い事するな。
これって「捨てた」のと大差ないのじゃないかな?
もし、荷物が無くなったらどうするのだろう?
先輩は間違いなくトラックから降ろしたと言い張って、私の責任?
だいたい、路上でのドッキング(荷物の受け渡し)は厳禁だったはず。
先輩は荷物を持ってくるだけなのだから、少しぐらい手伝ってもいいんじゃない?
とにかく、荷物を観音にしまわなきゃ何も始まらない。
一旦荷物をどかして、積込んで仕分け、また降ろして配達・・・
いつもここで配達のペースを崩されるんだよな。
もうすぐ配達完了、また1時近くになっちゃった。
どうしたら追加分も合わせて午前中に配達完了できるのだろう?
-------------------------------つづく---------------------------------
運管(*1)
運行管理課の略。
その名の通り、主な仕事は運行する車両、運転する者を管理する事。
運管で許可を得なければ営業車両は社外に出られない。
本来、働く者の為の機関ですが、その昔、まだ佐川の運転が最悪だったころ、運輸省からの改善要望を完全無視。
運管責任者への警告書は破り捨てたと有名な「噂」があります。
Top便(*2)
約束した時間までに配達できなければ、料金は返金するという時間指定便の名称です。
時間必着を守るため、特別に車両を用意するとセールストークでは言うが、私の記憶には実際に用意した覚えがない。
他の荷物と同じように持ち出し、いつもの配達時間ではなく、Top便で指定された時間までに配達するだけ。
Top便に指定するだけで、通常なら関東地区へ850円の運賃が3,000円、大阪だと10,000円に増額するから凄い。
大阪の店長が考案したと聞きました。
現在は運賃も安くなり、R-Top便に変更されています。
観音(*3)
トラック荷台が観音開きなので、通称名。
*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***